築15年が目安！日頃のチェックでこまめに賢くリフォームを

リフォームを適切にしていれば木造住宅は長持ちするもの。でも「いつから」「どこから」手をつけたらよいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
日頃からのチェックポイントやリフォームの流れ、事例などリフォームの基本をご紹介します。

リフォーム時期の目安は築15年

おおよそ築15年がリフォームの目安です。築15年というと新築からあっという間のような気がしますが、早くからこまめにリフォームをしておくことが住宅を長持ちさせるコツです。
しかし、実際には築30年を過ぎてから、費用をかけて大がかりなリフォームするケースも多くあります。

定年退職後に「家で過ごす時間が増えたため快適に暮らしたい」、「子育てにお金がかかる時期が過ぎ落ち着いた」などがリフォームのきっかけ。最近では将来子ども世代に負担をかけないよう、親世代が元気なうちにリフォームすることも増えてきました。

日頃からのチェックポイント

築10年目から外壁や水回りを中心に注意してチェックしておくとよいでしょう。
●外壁
外壁塗装のひび割れ。ひび割れから水が入ると、柱や土台が腐る原因になります。
●屋根
屋根の雨漏り。雨漏りは住宅全体の傷みの元凶。
●風呂
タイルのひび割れ。ひび割れから床下に水が流れ込むと土台が腐る原因になります。
●キッチン
キッチンは人造大理石やステンレスの天板のキズ劣化、新機能の追加、掃除のし易さ、また雰囲気を変えたりするために設備を交換する傾向があります。
●耐震
耐震診断の自己チェックは難しいので、耐震診断を専門にしている設計事務所に依頼をした方がよいでしょう。1981年（昭和56年）以前の旧耐震基準で建てた住宅は診断をご検討ください。

無駄のないリフォームのために、日頃から整理・整頓や収納の片付けをしておくことをおすすめしています。物であふれている住宅はお金をかけた部分が有効活用できておらず、不経済になっている状態なのです。
片付いていると隅々にまで目が行き届きやすく、わずかな異変にも気づくことができます。どこをどのようにリフォームすればよいかも見通しが立ちやすいでしょう。整理・整頓ができている方は小さなメンテナンスもきちんとできており、結果的にリフォームが最小限で済むというメリットもあります。

リフォームの流れ

●ご相談
まずは暮らしで不便に感じることをご相談ください。
リフォーム会社はお客様の生活スタイルや求める機能を伺い要望をまとめていきます。たとえば、料理が好きな方なら日頃の動線に基づいたキッチンの配置に。調味料の収納場所やごみ箱の位置まで指定し、使い勝手のよさにこだわる方もいます。几帳面に掃除をする方ならデザイン性の高い設備も入れやすいでしょう。生活スタイルを読み解き、リフォームの方向性を決めていきます。

●見積り
カタログやショールームを見学して設備を決定します。設備のグレードによって費用も大きく異なります。設備が決まると見積りをご提示します。
●資金計画
新築と同様、ローンを組む場合は審査を経て借入が確定してから着工します。
●ご契約成立
●解体
リフォームは着工の前に解体の作業があります。
●着工

「リフォーム」と「建て替え」の判断

リフォームがよいのか建て替えた方がよいのかを悩む方もいるでしょう。リフォーム費用が1,500万円を超えるときには、建て替えをおすすめしています。将来的に若い世代のご家族が引き続き住むのであれば建て替えた方が耐震面でもメリットがあります。　
一方、道が狭いなどの制約があり建築確認が下りない状況であればリフォームを選択せざるを得ません。土台と柱や梁は残しますが、間取りは柔軟に変更することもできます。

リフォーム会社の選び方

リフォーム会社選びに悩んだら住宅展示場に行ってみるとよいでしょう。住宅展示場は新築に限らずリフォームの相談もできます。また住宅設備メーカーのショールームでリフォーム相談会を開催している会社もあります。それぞれ得意分野も異なります。多くのリフォーム会社はキッチンや風呂などの設備の入れ替えが中心。もし住宅全体のリフォームをお考えなら、実績を調べて専門知識や技術を持った会社を見極めましょう。
値段だけで比較するのは要注意。安さだけで外壁のリフォーム会社を選んでしまい、2年後には塗装が剥がれ、やり直しすることになったという事例もあります。

中庭住宅のリフォームの特徴

ではここで中庭住宅のリフォームの施工事例をご紹介します。

キッチン

換気扇が掃除しやすいタイプや食器洗浄機など、新しい機能がついたキッチンに入れ替えるケースがよく見られます。入れ替えのサイクルは20年ほど。キッチンはリビングの印象を左右する大きな要素でもあります。木目調から白いシステムキッチンに変えてイメージを一新した事例もあります。また、キッチンとあわせてリビングの床を剥がし、床下の木材を入れ替え強度を上げ、断熱材や床暖房を入れることもあります。特に年配の方には床暖房は好評です。
リフォームの期間はおおよそ解体後から１カ月。

トイレ

トイレは高機能・節水型の便器に入れ替えます。壁の1面にアクセントの色のクロスを貼ったり、カフェにあるようなスタイリッシュなペーパーホルダーを取り入れる方もいます。
リフォームの期間は便器だけなら1日、内装工事を含めると2～3日ほど。

風呂

既存の風呂がタイルの場合は、解体してコンクリートを打ちユニットバス（浴槽や壁・床が一体化している風呂）を設置します。ユニットバスが入るように窓を狭くすることもあります。最近はリフォーム商材が増えており外壁に手を加えなくても窓の細工ができるようになりました。また、ご高齢の方用のベンチシートタイプのユニットバスもあり、自宅での入浴期間を延ばすこともできます。
古いユニットバスから新しいユニットバスへの入れ替えは、掃除のしやすい床が決め手。ヒートショック対策として天井に暖房乾燥機をつけるご要望もあります。
リフォームの期間はおおよそ1週間。

洗面台

風呂と同様、ユニットを入れ替えます。洗面ボールや蛇口を1つ1つ選ぶ方や、壁にモザイクタイルを貼っておしゃれに演出する方もいます。
リフォームの期間はおおよそ3日。

外壁・屋根

最近の住宅は外壁にサイディングを使うのが主流。サイディングとは外壁に貼る仕上げ用の板材のことで釜業系、金属系、木造系など種類があります。
まずはサイディングの目地を埋めるコーキングをやり直します。そしてサイディングの上からクリア塗装を施すと水に強くなり劣化を防ぐことができます。
屋根の場合は葺き替えか塗装をします。既存の屋根の素材や状態によって補修の仕方も違います。
リフォームの期間は足場の組み立てと撤去も含めおおよそ3週間。

エクステリア

ご年配になると庭木の選定や草抜きが難しくなり、管理しやすい庭に変更したいとご相談を受けることが多くあります。エクステリアは外からの目線が気になる場所。大きな木は取り除き、地面には防草シートを貼り雑草が生えにくいように。手入れをする範囲を小さくして負担を軽減しています。
リフォームの期間はおおよそ3週間。

バリアフリー

自宅での転倒骨折が寝たきりの原因になると言われていますので、ご高齢の方がいる場合には床段差解消工事をおすすめめしています。バリアフリーは住宅全体のリフォームにあわせて施工するケースが一般的です。床を剥がしフロア全体を4～6cmほど上げて和室と同じ高さに揃えます。ご希望に応じて断熱材や床暖房も追加しています。
床を剥がさず、段差解消のための小さなスロープで対応する方法もあります。中庭リフォームには住環境福祉コーディネーターの資格を持つスタッフがおり、介護リフォームに関する補助金申請の手続きや住環境のアドバイスも行っています。
リフォームの期間はおおよそ3週間。

耐震

目には見えづらい耐震に費用をかけてリフォームする方は少ないのが現状です。
しかし一番怖いことは寝ているときに地震が発生し、倒壊した建物に押しつぶされて亡くなること。対策の1つとして、寝室だけ耐震シェルターのように強度を高める方法があります。住宅全体の耐震化と比較して費用をかなり抑えることができます。
リフォームの期間はおおよそ1カ月。

住宅全体のリフォーム

土台と柱、梁のみを残して外壁から部屋のすべてをリフォームします。構造の安全性を確保した上で柱の位置を工夫し、お客様のご希望に沿った間取りを叶えることもできます。
リフォームの期間はおおよそ4カ月。

中庭リフォームには設計・構造・施工・コーディネートといった専門的な知識を持つスタッフが揃っています。そのため設備の入れ替えに留まらず、より柔軟なプランのご提案ができるのです。また、板金や断熱の施工ができる専任部署を社内に有することも強み。たとえば屋根と外壁の間にある「水切り」の施工や外壁パネルのカット、断熱材の吹き込みなども自社で行っています。

一生に一度の大きな買い物である住宅。リフォームしながら30年、40年と長く快適に住んでいただきたいものです。中庭リフォームは、専門知識と施工技術を活かし、お客様のリフォームをトータルサポートしていきます。

私がご案内しました

中庭リフォーム株式会社　住宅事業部　部長
二級建築士、インテリアコーディネーター
福祉環境コーディネーター2級、整理収納アドバイザー2級
平賀哲朗